ISSN 1881-6169

教育実践学研究
山梨大学教育人間科学部
附属教育実践総合センター
研究紀要 No.22(2017)
pp.169-178

 

 

題目:思考実験を活用し,仮説づくりを中心とした中学校理科授業実践 -質量の異なる物体の自由落下運動を事例にして-
題目(英語):On the Lesson of Science Executing Thought Experiments and Focusing on Creating Hypotheses in Lower Secondary School Science: Considering Free Fall of the Objects with Different Mass
著者:宮澤 和孝(MIYAZAWA Kazuyuki),松森 靖夫(MATSUMORI Yasuo),佐藤 寛之(SATO Hiroyuki),佐々木 智謙(SASAKI Tomonori)
要約:本実践研究では中学校3学年を対象にして,課題「質量が違う2つの物体の落下速度はどのようになるか」に対する仮説を立てながら学習に取り組ませた. 具体的には,ガリレオの落下に関する思考実験を活用した学習である.その結果,約90%の生徒が,「質量の大きい鉄球と小さい木球をひもでつけたものと,鉄球がどのように落下すれば自分たちの仮説が正しいと証明できるのか」という問題場面に対する論理的説明を行い,表出した仮説をクラス全体で行う討論を通して共有・収束させるとともに,落下する物体の速さは質量に関係がないことに気付いた.
 さらに,討論活動を通して,同じく約90%の生徒の考えが深化し,「なぜ,質量が違っても物体の落下速度は変わらないのか」に対する科学的理由についても導出できた.
キーワード:思考実験 質量 落下速度 科学史 ガリレオ 仮説 討論