ISSN 1881-6169

教育実践学研究
山梨大学教育人間科学部
附属教育実践総合センター
研究紀要 No.21(2016)
pp.175-182

 

 

題目:高校生物の授業における落語の影響に関する探索的研究 -学習の質的向上に向けて-
題目(英語):An exploratory study on the effects of using traditional comic storytelling (rakugo) in high school biology class: A study toward qualitative improvements of learning
著者:小田 雄仁(ODA Takehito),東海林 麗香(SHOJI Reika)
要約:高校の授業に笑いを取り入れた研究は,小・中学校に比べて少ないが,高校においても,小・中学校と同様に笑いを授業に取り入れることは,効果があると考えられる。本稿では,笑いの要素として,高校生物の授業における落語の影響について探索的に検討することを目的とする。実演した落語は,学習内容を取り入れたストーリーを授業者が創作したもので,落語を取り入れた授業を実践している6クラス241名に対してのアンケート調査とフィールドメモをデータとした。フィールドメモからは,授業者が例年3年生で実施している高難度の演習問題を1年生で実施したときの生徒やクラスの様子を事例として取りあげた。また,アンケートをもとに授業に落語を取り入れたことによる効果を9つの大カテゴリーに分類した。その結果,落語を実演した5分間だけに効果があるという単純な話ではなく,落語が持つ笑いの要素や,それまでの授業や教師のイメージを崩すことなどの様々な要因が関係して授業全体に,「理解を助ける」「意欲が高まる」「気分転換・リフレッシュ」「勉強のイメージを変える」「次の授業が楽しみになる」などの多様な効果を生んでいることが明らかになった。
キーワード:高校,生物,落語,教授法