ISSN 1881-6169

教育実践学研究
山梨大学教育人間科学部
附属教育実践総合センター
研究紀要 No.19(2014)
pp.9-24

 

 
題目:5歳児クラスの話し合いにおける論理的思考と直感的思考のゆらぎ:担任による実践記録からの分析
題目(英語):The fluctuation of logical versus intuition thinking observed in 5 year-old children’s utterances.
著者:塚越 奈美(TSUKAKOSHI Nami),荻原 ひろみ(OGIHARA Hiromi),山名 裕子(YAMANA Yuko)
要約:幼児期には論理的思考と直感的思考の区別があいまいなために生じる幅のようなゆらぎや, 年齢にともなっておこる混乱のようなゆらぎが存在する。本研究はこの問題を, 幼稚園5歳児クラスの実践記録の発話分析を通して検討したものである。「野菜の収穫からさくら八百屋店開店まで(場面1)」では, 5歳児のお金に対する認識は,貨幣をやり取りするという社会的ルールを理解し始めている一方で, その価値は直観的で感覚的な側面が強いことが示唆された。「八百屋で得たお金の使い方の話し合いから,ねずみばあさんと秘密基地(場面2)」では, 架空の存在に対して多様な視点から語ることが出来るようになっていることが示唆された。両場面を通して, 5歳児は多面的に物事を見ることが可能になりはじめているが, 発言の意図やその背景にある思いがつながるためには保育者の援助が必要となることを議論した。
キーワード:論理的思考,直感的思考,ゆらぎ,発話,5歳児