ISSN 1881-6169

教育実践学研究
山梨大学教育人間科学部
附属教育実践総合センター
研究紀要 No.18(2013)
pp.11-19

 

 
題目:障害のある海外子女に対する邦人サポートグループの役割(その1)
題目(英語):The Role of Japanese Self-Help Groups for Japanese Parents and Their Children with Developmental Disabilities in the World( Part1)
著者:鳥海 順子(TORIUMI Junko)
要約:海外子女の数は年々増加しており、その中には障害のある子どもたちも当然存在する。しかし、日本人学校入学前の障害のある海外子女に対する支援の実態についてはほとんど明らかにされていない。本研究では、北米を中心に、障害のある海外子女とその保護者が早期に適切な専門的な支援につながる要因として、現地の日本人専門職や邦人サポートグループの存在が大きな役割を果たしていることを指摘してきた。北米以外の地域において海外子女が多くなった現在、世界各地における邦人サポートグループの実態について調べることは、障害のある海外子女の早期支援を推進していく上で重要である。本報告では、現在、海外子女に対して支援を行っている世界各地の邦人サポートグループについての実態を調べ、さらに、米国の事例について査定前後における邦人サポートグループの役割を明らかにした。その結果、ネット上で公開されている海外の邦人サポートグループは10 件、国内から海外子女と保護者などに向けて支援を行っている邦人サポートグループが3件あり、それらが国際的なサポートネットワークを形成し始めていた。また、米国における事例を通して、邦人サポートグループが、査定前には困惑状態にある保護者の精神的なケア、査定後には日本語環境での指導や集団での育ち合いの場の確保、適切な助言や援助を求める保護者の希望に応じる重要な役割を果たしていたことがわかった。
キーワード:障害のある海外子女・邦人サポートグループ・乳幼児期